子供同士のケンカ

ケンカ

子供同士のケンカにどこまで関与するか

ケンカにはどのような定義があるでしょうか。
もちろん、叩き合いや殴り合いといったケンカは法的にもいけません。
大人でも、してはいけないことです。

ですが、「口喧嘩」や「口論」くらいなら大人もいつでもしますよね。
ケンカを嫌がる人間を「平和主義」と言いますが、それは大人に当てはまる言葉であり、子供たちは「ケンカが良いものか悪いものかもわかっていない」状態です。

では大人たちは子供にケンカのことをどう教えているでしょうか。
「仲良くしなければいけない」「ケンカをしてはいけない」
などと喧嘩を制限していませんか?

制限をしても、子供同士は些細なことでケンカをします。
「○○ちゃんを悪く言った」「かっこ悪いと言われた」この程度のケンカなら幼稚園児だってします。

すべての親が保育や幼稚園教論の資格を持っているわけではありません。
子供に関するプロでさえ対処できないこともある子供同士のケンカを、ただ子供の親でしかない私たちは解決できるはずがありません。

「子供同士のケンカにどこまで関与して良いのか」これはよく親としての課題となりますが、結論としてはほぼ関与しなくても子供たちは自ら解決する力を持っていると考えます。
たとえば、楽しくて興奮して走り回っていたA君が、丁度後ろを向いているB君にぶつかって、B君が転んだとしましょう。
B君はわけもわからず怒鳴り、または泣きます。

「A君に押されたから転んだ」そう主張されるとA君も黙ってはいません。
ただぶつかっただけだ、それくらいで泣くなんて弱虫だなどと言い返すかもしれません。

A君とB君、どちらが悪いのか?
実はどちらも悪くないんですよね。
走り回ってるのはいけないことかもしれない、でもわけもわからないから仕方ないかもしれませんが「すぐに人の悪さを指摘する」のもどうかと思います。

「痛いよ」と言われたら「ごめんね」と言う、ぶつかったら謝る、痛かったら痛いと告げる。
子供同士だとコミュニケーションがまだ上手く取れないので、こういったトラブルが起こってしまうのです。

子供同士のケンカにどう対処する?

A君とB君のトラブルの場合、大人はどう対処すべきだと思いますか?
私はただ「話を聞いてあげれば良い」だけだと思います。

「楽しく遊んでいたら、夢中になってぶつかってしまったんだよ、それくらい楽しいなら、B君も一緒にやりたいね。」
プラスな考えに持っていくなど容易いことです。
全体像が見えると、子供は勝手に判断し仲直りをします。
一部分しか見ていないからこそケンカになるのです。

子供同士のケンカは冷静に見ているだけで、子供たちで解決するものです。
それを、「ケンカはいけない」「仲良くしなければいけない」と制限するからこそ、再度ケンカになっても自分たちで解決できる力が身につかないのです。

では、傍観するだけで良いのか?
そうではありません。
傍観するのではなく、しっかり話を聞いてあげて双方のコミュニケーションが上手く取れるよう導いてあげることが大切です。

目に余るくらいのケンカだったら

「これはもう見過ごせない」というくらいのケンカは、大人がしっかり関与すべきです。
自分の子供の意見だけ取り入れて、苦情を寄せる親御さんも多いでしょう。
目に余る子供同士のケンカは、大人同士で上手くサポートしていかなければいけない時もあります。

自分の子が被害者の立場になるか、加害者の立場になるか。
わかりませんよね、いつ何が起こるかわかりませんから。
そこで一つ、覚えていてほしいことがあります。

「子どもって、そんなもの」です。
ケンカするほど仲が良いという言葉は、子供から生まれたと言っても過言ではないほどつい先ほどケンカをしていたと思ったら今は仲よく遊んでいるなんて場面もよくあります。
ケンカは子供同士の一つのコミュニケーション方法であり、大人が躍起になって考えるようなことではないのです。